2022年7月に入り新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。日本全国において、新規感染者(5万1953人)と報道されています。
今回は、国内の感染状況から感染者拡大の要因とされるBA.5の性質とその感染対策について徹底解説します。
コロナ感染状況について
今回のコロナ感染状況として、オミクロン株の派生型「BA.5」の拡大が増加要因、専門家は「第7波」に入った可能性も指摘し、ワクチン接種を急ぐよう注意喚起しています。
2022年7月9日、東京都感染者は8777人で1週間前の2.4倍、大阪府は4805人で2.2倍でした。
この1週間で島根、愛媛、熊本も含む5県で過去最多、内閣官房によると、6日時点の1週間平均の新規感染者数は全都道府県で前週を上回ったとのことです。
小池都知事は、確保病床を現在の約5000床から最大約7000床に増やすための準備を進めるよう医療機関に要請しました。
ワクチンの接種状況
ワクチンの2回目接種は全世代で8割を超えていますが、3回目は62%にとどまっております。
- 年代別では
- 12~19歳:31%
- 20代:46%
- 30代:50%
- 40代:59%
以上のように平均を下回っているのが現状です。
コロナ感染は若者が中心
こうした若い世代で感染が目立っており、重症化予防を目的として60歳以上対象の4回目接種は23%となっています。
増加の要因は、ワクチン接種などで得た免疫の働きの低下と、オミクロン株の派生型「BA.5」の拡大とされています。BA.5の感染者数はここ数週間で急速に増加しており、新規感染者数全体の52%を占めています。
今後、感染が高齢者にまで拡大すれば更に増加することが懸念されます。
次に、BA.5の性質を紹介します。
BA.5の3つの性質
1.感染力の強さ
「BA.5」は、2022年2月に南アメリカで確認された後、欧米を中心に世界で検出されました。新型コロナウイルス全体の40%に達していることがWHO(世界保健機関)によって明らかとなりました。
これまで主流だった「BA.2」に比べると、その感染力は1.3倍から1.4倍強いと言われており、イギリス保健当局の6月24日の発表によると、「BA.5」は「BA.2」より35.1%早く広がっているということです。
2.免疫逃避
これは既にワクチンや自然感染などで得た抗体が効きにくい、つまり免疫をすり抜けるという性質です。
WHOによると「BA.5」はウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が当初広がった「BA.1」に比べて、7分の1以下になったという実験結果があるということです。
また、ワクチン接種や感染によって得られた免疫が時間経過によって弱まってるということも感染の広がりにつながっているとみられます。
3.重症化について
感染した場合の重症化に関して、WHOの先月22日の週報によると「BA.1と比べて変化しているという情報はない」ということです。
ECDC(ヨーロッパ疾病予防管理センター)データ数は少ないとした上で「重症度が増している証拠はない」と発表しています。
感染者の増加に伴い、入院者数や死亡者数が増加する可能性があると指摘、このような状況の中、私たちができる感染対策にはどのようなものがあるのか紹介します。
3つの感染対策
1.基本的な予防対策の徹底
新型コロナの流行から2年以上が経過し、世界的にも行動規制の緩和が進んでいます。これから選挙や3連休、夏休みといったイベントが増えていく中で、新規感染者数の増加が起こることが懸念されます。
行動制限の可能性について、政府は「現時点では考えておりません」(木原誠二官房副長官)といっており、「こまめな手洗い・マスク着用・会食時は少人数かつ短時間」といった一人一人の基本的な予防対策を続けることが大事になります。
2.定期的な喚起
ここ数日、全国各地で猛暑日が続く異例の天候も災いし、エアコンの使用のために室内を閉め切って換気が不十分となり、事業所や施設などでエアロゾル(浮遊微粒子)感染するケースが増えています。
感染者の拡大を抑えるためにも、大人数が集まる屋内に限らず、定期的に窓開け換気をするよう勧められています。
3.無理な登校・出勤は控える
感染者の中には、体調が悪いにも関わらず大丈夫だと思い、登校・出勤したことで建物内で感染が広がった事例が多くみられます。
「BA.5」系統は一日で治まる場合もありますが、症状が出ることが多いため、検温など体調把握に努め、症状が治まったとしても登校・出勤等は控え、まずは医療機関へ受診することが感染拡大に繋がります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。感染拡大の要因とされる「BA.5」の性質が、少しずつ明らかになってきました。
最近では新型コロナウイルスと上手に付き合うために、感染対策をした上でイベント開催や国内旅行など、徐々に明るいニュースを見かけることも増えてきています。
皆さんの夏休みやお盆といった休暇の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
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